【和訳】Fulgur Ovid 【3.0お披露目ビジュアルノベル / 前編20分】

 

本日は、にじさんじEN

Fulgur Ovid/ファルガー・オーヴィドさんのこちらの配信

 

 

 

管理人
リクエストをくださった方、ありがとうございました🙇🧡

 

 

 

今回、ビジュアルノベルということで

「ブログの和訳を追ってスクロールすると

画面が上へ行って映像が見えなくなるよ問題」が

いつもより致命的になるかと存じます。

 

PCでの二窓を推奨させていただきたく

▼各パートの頭に記載してある青字のタイムコード

ーーーーー

例 ※7:15〜

ーーーーー

部分に、別ウインドウで開くリンクを貼ったので

良かったら使ってみてくださいませ ^^ 🍵

 

 

※動画が再生されて発生した広告収益は全て、動画権利所有者とYouTubeの二者間で分配されます

※誤訳も多いかと思われます。申し訳ありません。もし、目に余る誤訳がありましたら、大変お手数をおかけいたしますが記事下部のマシュマロよりご連絡いただけますと幸甚です


視聴の前に補足

 

 

今回のビジュアルノベルは、ふーちゃんのオリジナル小説である

『Legatus 505』を舞台としています。

作中用語などが都度、登場して参りますので、

補足を入れて和訳していこうと思います。

 


 その1、Legatus編 加虐的サイボーグに◯される 7:23〜14:36 

 

 

▼サムネイルをクリックいただくと該当シーンからスタートする仕様です

 

 

※7:15〜 ←二窓したい方はここをクリック

 

〜ビジュアルノベル開始へのカウントダウン〜

〜電子音〜

 

おっと、まだ出番じゃない画像が出てる。はっはっは。

全部、まだ映っちゃ駄目なヤツだった(笑)

 

〜BGM〜

 

ナレーター:

時は375ATF年。

貴方がよく理解しているのはそれくらいで、

記憶の大部分は

頭の中で鳴り響く痛みにより失われています。

爆風に脚をすくわれ吹き飛ばされたとき、

警報の音はほとんど聞こえませんでした。

次に貴方が気づいたのは・・・

先ほどまで自分が居た建物が倒壊しているということ。

肺から全ての空気が押し出される感覚と共に、

自分の体が落下していくのがわかりました。

リパブリック(※後述します)の大量の兵士が

貴方の居るキャンプ地を襲ったのです。

周囲では銃声が雷のように鳴り響き、

動くことはおろか、音を立てることさえできません。

「ここが自分の墓場になるだろう」と受け入れながら、

貴方は何時間も瓦礫の中で横たわっていました。

やがて、

痛みにもがく貴方をそのままに

嵐は全てを静寂の中に置き去りにし、

通り過ぎていきました。

息をするたび、計り知れない痛みが貴方を襲います。

最後に一つ雷鳴が鳴り響き

貴方は爆風の瓦礫で出来た檻から解放されました。

数時間ぶりの新鮮な空気で肺が膨らみました。

 

熱く灰にまみれた空気でしたが、

周囲を鞭打つように吹く激しい風は

傷ついた肌には神聖なもののように感じられました。

朦朧とする意識の中で視界は霞み、視線は空へと向かい

貴方は「天使」としか思えないものを見つけます。

純白の髪。

鋼のように冷酷で感情のない瞳。

その人が後ろへ退がると勢いを増した逆光が貴方の視界を奪い、

光の中で目の前の人影だけが際立って見えました。

やがて見えてきたのは、

かつての仲間たちの死体でした。

遺体は積み上げられるか、

そうでないものは腐るに任せたままという状態です。

遠くに『Martyrist/※作中用語(後述)』たちが信奉する

奇跡の木が見えました。

彼ら曰く「人類が地球への汚染を止めれば、

最終的に地球は生き延びることができる」という

その象徴となる木。

今や燃え上がり、

灰に染まりきった空へ

さらにさらにと煙を送っています。

 

暗澹たる世界の中で

篝火のように燃えていた木はすぐに燃え尽き、

かつて敬われた名残を残すのは灰だけとなりました。

 

 

 

 

Legatus:聞こえるか?

 

くぐもった声が聞こえました。

鳴り響くその声は他の何よりも強く

貴方の意識を惹きつけます。

貴方はその人影へと視線を戻し、

視界はだんだんと光に慣れていきました。

最初に見えたのは、ぼやけた色合い。

赤と黒。

貴方が見つめる目の前で炎は躍り上がり、

ねじ曲がり、

影と炎の悪魔に姿を変えました。

彼が貴方に向かって身を屈めると

上からの光がその姿によって遮られました。

彼の口元には笑みが浮かんでいましたが、

それは幸せや喜びといった類の笑みではありませんでした。

そう。

それは獲物を追いつめて喜ぶ生き物が見せる

加虐的な笑みでした。

 

 

Legatus:やあ、やあ、やあ。

俺の名はファルガー・オーヴィド。

505課の『Legatus(※後述)』だ。

お前・・・おいたが過ぎたな。

 

 

貴方は口を開きつつ

うめき声を漏らしましたが、

Legatusは尚も貴方の正面に立ち続けています。

 

 

Legatus:

お前は『Apologists(※後述)』と共謀し、逮捕を拒み

リパブリック軍に向けて発砲した

 

 

周囲より一層濃い色の物体が目の前に掲げられ、

貴方の顔からわずか数センチの距離に突きつけられました。

 

 

Legatus:

お前に対する判決は・・・”死刑” だ。はっはっは

←3.0の悪い顔、ステキです^^

 

 

重い沈黙が辺りに満ち、

沈む空気は肺を押しつぶし、

まるでもう一度、

瓦礫の下に逆戻りしたかのように感じられました。

銃を見つめる時間は延々と続きます。

 

 

あなた:

お願いです!殺さないで

 

 

Legatus:

・・・は?

 

 

あなた:

そもそも、Apologistに加担するつもりなんて

これぽっちも無かったんだ!

私は避難所育ちだし、

ここにはApologistsに連れられて

ほんの数ヶ月前に来たばかりで、

リパブリックについては何も知らない!

 

 

男の怒りは和らいだものの、

銃は依然として貴方に突きつけられたままです。

貴方は重ねて男に訴えました。

 

 

あなた:

でも、これはわかる!

奴らのリーダー、Vulpesについて!

あいつが今、どこに居るのか知ってる!

何度も聞いたんだから!

 

 

Legatus:

う〜ん・・・

 

 

サイボーグはしばらくの間、

何かを考えているようでした。

それから彼はゆっくりと銃を下ろし、

貴方を見下ろすと口元に柔らかな笑みを浮かべたのです。

 

 

Legatus:

それなら、続けろ。

俺に鳴いて教えてみせろ子羊

 

 

あなた:

どこかにある、『機関』と呼ばれる場所!

Apologistsたちはその場所を随分と持ち上げてた!

奴ら「Vulpesは敵の武器を使い、敵を滅ぼすつもりだ。

“Fallen star”がなんであれ、Vulpesはいつだってそれを

リパブリック内地でぶっ放せるんだ」と言ってた!

←”Fallen star(堕ちた星)”ってなんでしょう。

浮奇くんのロア(本記事のお尻にリンクを載せておきますね)

と関係があるのでしょうか

 

 

男はしばらくの間、貴方を見つめていました。

真っ直ぐに見通すような目でした。

銀の瞳は氷のような冷淡さを湛え始めましたが、

その中に人が持つような感情の兆しは感じとれません。

最後に、

男はこれまでとは異なる感情を浮かべ顔を歪めました。

そうして片膝をつき、

顔が貴方と同じ高さになるように身を屈めました。

彼が言葉を紡ぐたび、

近すぎる吐息が揶揄うように貴方の肌を撫でてゆきます。

 

 

Legatus:

いいだろう。ということはだ・・・

俺が居るべき場所はどこか別の場所ということになる。だろう?

 

 

ひやりとした鋼鉄の指が、

貴方の顔へとまとわり付きました。

口と鼻は息も困難なほどに塞がれ

視界の一部すら、サイボーグの手によって

遮られてしまいました。

 

 

あなた:!?うぐっむむうう!ううう!

 

 

初めは万力のように顔を鷲掴む手から逃れ

叫ぼうと暴れていた貴方でしたが、

唇はおろか顎さえ動かないことが判りました。

頭部に加わる圧力は増すばかり。

視界はぼやけ、色褪せはじめました。

 

 

(一瞬、ここで電子音が入りますが、

「無視してね」とのことでした)

 

 

Legatus:すまない。

優先度の高い新しい任務ができてしまったんだ。

つまりは、仕事のやり残しを片付けねばならない。

リパブリックは君のその正直さに感謝している。

だから褒美として、

君が受けるにふさわしい罰よりも楽に終わらせてやろう。

 

 

暗くなる視界の中で、光が瞬きました。

くらくらと働かない頭に、

「その方が良いのかな」という疑問が浮かびます。

視界と共に消えてゆく人生の中、

貴方が最期に見たのは

サディスティックな笑みと銀に輝く片目でした。

 

 

Legatus:はっはっはっは

 

 

〜電子音〜

 

ふーちゃん:はっはっはっは。

これでパート1が終わりだぞ、全く

 

※〜14:37

 

 

 

 

ー【作中用語解説】ーー

 

※リパブリック

ふーちゃんによる公式用語集では、

 The Republic – A megacity with a population of 80 million. One of three megacities constructed along the equator centuries ago by a group of like-minded people who chose accelerationism and self-preservation as the future for humanity. The city is divided into Central Republic, Greater Republic and The Outskirts with the more wealthy and powerful congregating closer to the center. 

と定義されており、わかりやすく噛み砕くと

リパブリック=人口8000万人のでっかい都市で、数世紀前にとある主義主張を持った人々が集まってできた都市だよ。赤道上に建てられていて、裕福な人々は街の中心地に住んでるよ

ということみたいです。

共和国と訳すと”国”っぽさが出てしまうので、今回はそのまま「リパブリック」にしておきました。

 

 

MartyristとApologist

こちらも公式用語集によると

Martyrists – Extremist version of Apologists who want to overthrow The Republic and kill all humans so that the planet can heal someday.
Apologists – Term used to lump together philosophical and ideological practitioners (by The Republic when trying to make the small groups out to be more of a threat) who believe that humans need to reverse what they’ve done to the environment and work to apologize for all that we’ve done in the past.
と定義されており、
リパブリックが自分たちにとって都合の悪い自然環境保護論者を一括りにApologistと命名。Apologistとは、環境への悪影響をすべて元に戻し、人類の過去の行い全てについて謝罪する必要があると考える人々のこと。Apologistの中でも過激派で「リパブリックの転覆」と「人類の滅亡による自然保護」を目指しているのがMartyist
ということのようです🙇

 

※Legatus

ノベル中、Fulgurは「(I am)A Legatus of division 505」と名乗っていましたね^^
公式用語集によるとLegatusは

Legati (Singular: Legatus) – Upper ranks of The Legion. Legati are the equivalent of detectives in a police force. They’re given individual assignments that they need to investigate and deal with at their own discretion. “Legati -Herd the flock!”

と定義されており、

Legatusとは、警察組織における「刑事」のようなもので、軍隊の高位役職であり、上から与えられた個別任務を自己裁量で調査&解決する必要がある

らしいです。

 

 

すみません
そのLegatusという職種の505区域担当だから【Legatus 505】ということなのかなと思われます。わかりやすく言えば、「渋谷区担当デカ」的な感じでしょうか。調査→解決まで一人で行ってよいところは、デカよりも権限がデカですよね

 

 


その2、Archivist編 思想統制への抵抗。そして胸キュン 20:51〜30:52

 

 

▼サムネイルをクリックいただくと該当シーンからスタートする仕様です

 

※20:51〜 ←二窓される方はこちらをどうぞ

 

〜電子音〜

〜再びライブ2Dを消し忘れ自分を責めるふーちゃん〜

 

あなた:・・・バカ!

 

我慢できず、

貴方が口から吐き出したのはその言葉でした。

まさか図書館でこの言葉を使う日がくるとは

夢にも思いませんでした。

だって、貴方は”バカ”では無かったから。

 

貴方にとって、

子供たちの一人ひとりは喜びの灯台とも言える存在でした。

それぞれがそれぞれに個性を持ち、特別でした。

彼らは互いに繋がり合うパズルであり、

機械に取り付けるための歯車ではない。

確かに、ときどき苛つかされることもありましたが、

それを上回るほどの生きがいを

貴方は彼らから受け取っていました。

「教育」は”単なる仕事”ではない。

ただ、最近はそれを「労働以外の何かだ」と考えるのが

ますます難しい状況になってきました。

議会がその知恵の総力を結集し、

新たな『非推薦図書』として、大量の書籍をリストに追加したのです。

貴方は涙を堪えつつ、子どものための読書コーナーに並べられた

徐々に減りつつある蔵書をじっと見つめました。

明るく彩りに満ちた背表紙を半分ほど並べて、

孤独感に苛まれた貴方は

子供用サイズのテーブルの陰にかくれました。

 

〜ふーちゃん:あ、ごめん。ちょっと調整させて。ごめんね〜

 

残った本を収納するには、

本棚のほんの一列でも多すぎました。

作業が終わる頃には既に

虚無感とやるせなさがこみ上げていました。

朝になる頃には残っていた本すら消え、

消えた本と共に「子ども読書コーナー」の存在意義も失われました。

貴方の視線は本棚からホワイトボードへと移り、

今日、子供たちと共に親御さんへ送り届ける予定のメッセージを読み上げます。

 

ー留意。良からぬことを見つけた際には必ず、父と母に報告すること

 

あなた:・・・

 

読み上げた声は単調なものでした。

どうして”駄目だ”と思うのでしょう。

ホワイトボードにその文字を書いたのは、他でもない自分なのに。

4年という短い時間で、

貴方が行う授業の目的は「子供たちの自主的な興味の探究を促すこと」から

「議会の言葉をそのまま伝え、13の美徳を説くこと」へと変化しました。

 

 

あなた:バカ!

 

 

貴方は繰り返しました。

自分自身を責めながら。目の端に浮かんだ涙を拭いながら。

 

 

Archivist(※後述):すなまい。

さっきの声は一体、どうしたんだ。先生

 

 

声が貴方を現実へと引き戻し、

貴方はArchivistと視線を合わせました。

貴方が答えを返す前に

彼は貴方が隠れていたテーブルの上に置かれた羊のおもちゃに気づき、

笑みを漏らしました。

 

 

Archivist(※後述):ああ。

小さなCorvusのやつ、またシーロ(=羊のおもちゃ)を忘れて帰ったのか

 

 

あなた:ああ、ふーちゃん!ええと、ファルガー!

貴方だったんですね!ああ、良かった。

議会があなたではない別の方を寄越すのではないかと恐れていたのです

 

 

「ファルガー」もしくは「ふーちゃん」と、

いつも子供たちは大喜びで彼を呼びます。

彼は貴方の元へ歩いてくると、テーブルの側に立ち

穏やかに微笑みました。

 

 

あなた:

い、いいえ。

何か問題が起こったということではないのです。

我々の門戸は常に開かれーーー

 

 

Archivist:どうしたんだ、先生

 

 

問いかけに貴方は驚き、戸惑いました。

突然にもたらされた彼の声と表情の誠実さに

衝撃を受けたのです。

 

 

あなた:何も?

どうしてそんなことをお尋ねになるのです?

 

 

Archivist:・・・貴方が泣いているから

 

 

答えは言葉になって返ってきました。

このArchivistはいつも

何を考えているのかわかりづらい人でした。

金属の手足を持ち、

一般男性の平均身長を楽々超えるような優しい巨人。

その長身と、文字通り冷ややかで硬質な外見にもかかわらず、

こと生徒たちとの交流においては

もっとも心の温かい人間の一人でした。

 

 

あなた:目にゴミが入っただけです。

もう取れましたから。ご心配には及びませんよ

 

 

Archivist:本のことか?

 

 

貴方は凍りつくように動きを止めました。

片方の手でもう片方の手をぎゅっと抑え、

次に取るべき行動に頭を巡らせます。

彼の背後に潜む議会が自分を監視しているように思えました。

←議会の教えが書かれた学校のホワイトボードが

物理的な意味でArchivistの背後にあったこととも掛かっている

けれど、Archivistと視線が合う

貴方は彼の瞳の中に物憂げな光と僅かな悲しみを見つけました。

 

ー今まで彼がこんな風に、

大人に対して感情をあらわにしたことがあったかな。

考えてみれば、絵本を読み聞かせする以外で

彼が感情を出したところは見たことがないかもしれない

 

貴方の沈黙を、何か本当に悩みがあるサインだと捉えたのか

Archivistは続けました。

 

 

Archivist:多くの本は焼かれてしまったかもしれない。

けれど私が子供たちに語った物語は彼らの夢の中で生き続け、

次世代の子どもたちの想像力を掻き立てるはずだ

 

 

Archivistは積まれた本の中から一冊を取り出し、

ぱらぱらと捲りはじめました。

〜本を捲る音〜

 

 

Archivist:

Corvusはいつの日かこのおもちゃを必要としなくなるだろう。

だが、彼に子供ができたらきっと『弱虫羊のシーロ』の物語を、

シーロがいかにして自分に自信を持ったのかを、

話して聞かせるんだろうな

 

 

わずかな間でしたが、

貴方は確かに彼の口元に浮かんだ微笑を見ました。

けれど今、

貴方へと視線を戻したArchivistの瞳は憂いを帯びています。

これまでこんなにも長い時間、

彼と言葉を交わしたことはありませんでした。

でもどうしてか落ち着くような、

懐かしく馴染みがあるような心地がしました。

タイミングよく彼と出会った日にはよく、

「うん」と挨拶代わりの会釈をもらい、

その後で温かい「それじゃあ皆、またな」という

自分というよりはむしろ、

多くの生徒たちに向けられた言葉を聞いていたことが頭をよぎりました。

 

 

あなた:本のことじゃないんです・・・その、つまり。

本のことだけじゃなくて。

ああ、もう限界。

きっと・・・きっと私、議会に出頭すべきなんです。

おそらく近い内に逮捕されるでしょう。

さあ、お願いします。

今すぐ、議会に電話してください。

教え子に密告されるより、貴方にお願いしたいんです

 

 

貴方は黙って自分の手をじっと見下ろしました。

「良からぬ思想を持った者」として、

彼が今にも自分を通報するだろうことを期待しながら・・・。

けれど、その瞬間は訪れず、

代わりとして貴方の手に重なるように現れたのは

Archivistの手でした。

彼の手は決して心地の良い感触ではありませんでした。

人間的な体温を再現し、皮膚に寄せた柔らかな素材を用いたとしても

サイボーグの腕は依然として不自然さを感じさたからです。

しかし彼と目が合うと、貴方は彼の瞳に

今まで自分が長い間、耐え続けてきた涙と同じ涙が浮かんでいるのに気づきました。

彼が瞬きをして涙を払うまでは一瞬でしたが、

貴方は確かに、彼の涙を見ました。

←3.0の繊細な涙の表現、素敵です

 

 

Archivist:子供たちは貴方を通報しないさ、先生

 

 

彼の背後に掛かったホワイトボードの文字

(「良からぬ思想を持つ者は見つけ次第、親に言うこと」)を見て、

貴方は小さく乾いた笑をもらしました。

 

 

あなた:だとしたら私は、思っていたよりも悪い先生だな

(教えたことを生徒が守らないということになるから)

 

 

Archivist:いいや、違う。

貴方は我々が今生きるこのような時代の中でも、

共感と理解に満ちた教えで子供たちを育ててくれた

素晴らしい先生だ。

今は辛いだろうが、これだけはわかっておいてほしい。

貴方の “教師としてのあり方” は素晴らしい。

貴方がどれほど懸命に働いているかは、私にもわかる。

その姿を子供たちも見ている。

時々、我々は自分自身の価値を見失いがちだが、

貴方には他者を支え、気遣う力がある。

それはいつだって、周囲の者に伝わるだろう。

貴方は、ありのままの自分で居られる場所を見つけるだけでいい。

ほんの僅かの間でも、心から自由になれる場所を

 

 

再び涙が溢れ、今度ばかりは頬の上を流れ落ちました。

長年、堰き止めていた壁が決壊し

抑圧された感情が激しく溢れ、流れ出しました。

 

 

あなた:

もうフィクションの中に逃げることさえできないのに。

私たちに残された逃げ場なんてあるんでしょうか

 

 

貴方の手に重ねられた彼の義手。

その握る力が、わずかに強くなりました。

 

 

Archivist:探そうとするならば、見つかるさ。

私は以前、『Illicium/イリシウム(※植物の名前)』というバーで

働いていたんだが、そこが正にそんな場所だった。

しばらくの間、私の心をまともでいさえてくれた。

それに、さっきも言ったが

本が無くなろうとも物語はいつだって私たちの元にある。

それに注意さえ怠らなければ、

オンライン上に全部アーカイブされているのを

見つけることだってできるだろう

 

 

男の唇には思いやりのある笑みが浮かんび、

また、その瞳は貴方の心の深くを見つめているかのようでした。

彼は本当に優しい巨人でした。

「世の統一こそ正義」という主張を支持し思いやりを捨てた世界の中で、

ここに確かに、”私という存在” と向き合ってくれる人がいる。

彼の唇に口付けようとした貴方は前屈みになり

テーブルの向こうへと体を伸ばしました。

 

〜近づくArchivistとの距離〜

 

体が近づく間、

彫像のように固まり唖然としていた彼でしたが

唇が触れようとする目前、

その手を貴方の肩に当て押しとどめようとしました。

 

〜Archivistの抵抗を受け流し、Kissする貴方〜

 

彼の顔はその目の上に刻まれたタトゥーと同じくらい、

赤く見えました。

頬骨の下にはパニックのためか一滴の汗さえ滲ませています。

 

 

Archivist:わたしは・・・あぁ・・・ああぁぁ。

大変、申し訳ないが今のは・・・ば・・・ばぁ・・・

 

 

あなた:ばぁ?

 

 

Archivist:バカ!

 

 

Archivistは貴方を椅子に押し戻すと走って逃げ始めました。

本棚の合間で、

彼の長い髪が驚くべき速さで揺れ動き、なびいていました。

テーブルの上の可愛い羊のおもちゃに目を移すと、

貴方は自分に笑顔が戻っていることに気がつきました。

今までは彼を、

“自身が信頼する者には忠実だが、それ以外には危険な猟犬のような人”

と思っていたのに・・・。

今では彼を、目の前の羊と重ねずにはいられませんでした。

柔らかくて、可愛くて、少し不器用な人。

今度は彼を『Illicium』に誘ってみようかな、

そう思いながら。

 

〜電子音〜

 

ー お終い ー

 

 

 

 

 

ー【作中用語解説】ーー

 

※Archivist

小説『Legatus505』の作者。
ビジュアルノベル1で貴方を窒息死させていたLegatusとは別人であるものの、顔はほぼ同じ。
Archivistの方がLegatus(178cm)よりも年長で身長が高く、190cmくらい。髪が長い。

 

▼そもそもArchivist/アーキビストってどんな職業なの?

永久保存価値のある情報を査定、収集、整理、保存、管理し、閲覧できるよう整える専門職を指す。
アーキビストの扱う情報は、写真ビデオ録音手紙、書類、電磁的記録など様々な形式を取る。

wikipwdiaより引用

アーカイブする人=アーキビストってことですね ^^

 

 

管理人
ふーちゃん&ロン毛のイケおじのファンアートを「誰だろう?」と思いながら見ていた方もいるのではないかと思いますが、おそらくLegatus&Archivistの絵だったんじゃないかと思います

 

 

 


まとめ

 

 

本日もありがとうございました ^^

注釈だらけな記事になりましたが、

楽しんでいただけていたら嬉しいです。

←違っているところがあったら、どうかご指摘ください!!

 

次回の記事は後編20分ぶんを予定しています。

 

 

▼途中、話題に出た「浮奇くんのロア」はこちら
Legatusは作中、どこかの時間軸でNoctyxの他メンバー4名と出会っていることが
オリ曲『Legatus505』の中で示唆されているので、
それも踏まえて展開が気になりますね!

【日本語訳】Ukiのオリジナル曲『Deja Vu / デジャビュ』の歌詞を和訳。ファンネーム『Stargazers』の由来とは

【Fulgur Ovid オリジナルソング 歌詞和訳 】Legatus 505 【ファルガー/ にじさんじEN/ 日本語訳】

 

▼Archivistがバーで(ここがIllicium?)友人と幸せなひとときを過ごすシーンは
こちらのオリ曲でも描かれています
←ただこれがどこの時間軸で、Legatus、ArchivistがそれぞれNoctyxの他メンバーとどんな関係なのかは
作品を勉強中の私にはまだわかりません🙇

【歌詞和訳】Enshrouding【Fulgur Ovid オリジナルソング】

 

 

▼次の記事、更新できたらこちらでご報告します🙇

 

 

【和訳】Fulgur Ovid 【3.0お披露目ビジュアルノベル / 後編20分】

 

 


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