当ブログは
・にじさんじEN所属Vtuberさんの活動全般について
・配信の日本語訳
等をメインに文字起こしているファンメイドブログです。
本日はLuxiem・Vox Akumaさんのこちらの配信
Reading your incredible fanfiction【#Kinfiction】【NIJISANJI EN | Vox Akuma】
に登場するファンフィクション小説全20本の中から、7本目〜10本目を抜き出し、
それぞれ日本語訳してみました。
▼1〜5本目に関してはこちらの記事をご覧ください。
ただ、続き物ではないのでご覧いただかなくても本記事の内容を理解できます
6番目の作品・・・途中で朗読が終わったため省略させていただきました🙇
7番目の作品・・・Fox Akuma ←『黒執事』インスパイアード作
8番目の作品・・・Vox × Ike ←切ない
9番目の作品・・・ロラックスおじさん × Vox
10番目の作品・・・Vox × 〇〇〇
7『Local Detective and his Demon Sidekick』 wangyueyuanyu様作
『黒執事』第1期の2話にインスパイアされて作られた小説とのことです^^
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タイトル:地元の探偵と、彼の悪魔の相棒
「リアスさんよぉ。あんたは俺らに契約書の隠し場所を教えてくれるだけで良いんだ。そうすれば、解放してやる」
ミスタは考えてみた。
(そうだな。一般的に銃を突きつけつつ条件を出してくるときって、たまには言葉通りに受け取ってもいいと思う?)
ミスタの脚と腕はロープで縛り上げられており、シャツと白のズボンは少し前に腹を殴られたせいで汚れていた。
探偵として、もちろんミスタにも犯罪に対処する際に自分を補佐してくれる相棒がいたのだが、
とっても素晴らしい相棒くんは、いきなり現れた無計画な誘拐犯への対処をミスタだけに任せてこの緊急事態にどこにも姿を見せない。
ミスタを人質にしている男は口汚い言葉を呟いて、トランシーバーを取り出した。
だが、どうやら今この瞬間にミスタを一人にするのは、彼にとって良い選択とは言えなさそうだ。
ミスタの手袋は武器を隠し持っていないことを確認するため、敵の手によって外されていた。
しかしながら、誘拐犯たちは明らかにミスタの指輪には気がついていない。
「銃弾に脳みそをぶち抜いてもらえるなんていう光栄だと思えよ、ミスタ」
ミスタに対しこう言った主は、あっという間に銃弾の雨に打たれ、すぐさま地面に倒れて死に絶えた。
「ヴォックス、何にそんな時間くってたんだよ?」
ミスタは悪魔の到着に驚かなかったが、ヴォックスが遅れたことに対してはイライラしていた。
ヴォックスは言った。
「この数年、お前ときたらいつも本分を見失っているな。どうして遅れてはいけないんだ」
悪魔がゆっくりと立ち上がると、彼の羽織からは銃弾がパラパラと落ちた。
その羽織には一滴どころの騒ぎではない返り血が染みついている。
「たった小一時間、縛られた程度の癖して。いつもより短時間で済んでいる上にこいつらは素人だ。My boy」
「命令だ。俺をこっから逃がせ」
ミスタはヴォックスに言った後、よく考えた結果、「もう夕食の時間だな、Daddy」と付け加えた。
「言いたいことはわかった」
ヴォックスはミスタの言葉に応じてニヤリと笑って言った。
「Yes, My Lord」
5分後、ミスタは自由の身となってヴォックスに姫抱っこで運ばれていた。四半刻の間、腹を殴られていたせいでまともに歩くことができなかったからだ。
地元の探偵と彼の相棒である悪魔の、なんでもない普通の一日のお話。
8『I Still Remember You』 ChenShin_1206様作
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タイトル:まだ君を覚えている
もし叶うなら、あの日に戻って君に会いたい。
*
四百年前、私が悪魔の支配者であった頃。
一人の少年に出会ったことを、私は朧げに覚えている。
彼は学者で、いつも大きな木の下で本を読んでいた。
ときどき、学校の座席に座っているのを見かけたときには、集中して何事かを書き綴っていたものだった。
「なあ、少年。何を書いているんだ」
「創作小説です。悪魔に関する」
「おお、それは良いな。完成した暁には読ませてくれるかい」
「もちろん」
少年は微笑んだ。
その笑顔はまるで陽光のようで、悪魔の心の内の最も暗い場所にまで光が差した。
人々は常に、私を「音の悪魔」だと言う。
なればその少年はおそらく、「音の天使」とでも言うべきか。
特に少年が歌を歌ったとき。
盗み聞きなどするつもりは無かったのだが。
彼の美しい歌声は人々の心を癒し、
まるで歌を奏でる彼の全身を通して心地よい温かな生命力が湧き出ているようで、
その様の、なんと爽快なことだろう。
「気に入ったよ」
Voxは心の中で少年に告げたのだった。
*
戦が始まり、悪魔の城一面に激しい火の手が広がった。
青年を含め、村人たちが無事かどうかも私にはわからない。
私は徳川家康の軍勢によって窮地に追いやられていた。
剣を握る手を震わせる。最後の抵抗だった。
ーこうして、悪魔の命の炎が消えた
四百年後、私はこの世界に戻ってきた。
私の知るかつての世界からは様変わりしていたが、やっと。私は帰ってこれたのだ。
「こんにちは、皆さん。僕はIke Eveland。過去から来たヴァーチャル・ノベリスト ー 」
コンピューターの画面上、Ikeと名乗る眼鏡の男性が視聴者に自己紹介している。
その声は懐かしく耳に馴染み、どこかで聞いたように感じられて・・・
四百年前の記憶を呼び起こそうとしたけれど、
あまりにも多くの時を経て、私に残っていたのは僅かばかりの記憶の断片だけだった。
けれど、わかる。
あの少年だ。
[ はじめまして。会えて嬉しいよ ]
Ikeから同期である私に向けて届いた個人メッセージには、こう書かれていた。
*
彼は私を覚えていない。
ううう・・・、切ない(泣)
私、このお話めちゃくちゃ好きです。
9『Vox x Lorax』 adeptdeeznuts様作
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タイトル:??Vox × ロラックスおじさん(笑)
「死なないでくれ・・・」
ヴォックスはふわふわの恋人を腕に抱きながら、悲しみに暮れていた。
頬を涙で濡らすVoxのシャツが、恋人の血でゆっくりと赤く染まっていく。
全てがとても薄暗い、雨降りの朝のことだった。
ロラックスはヴォックスをひどく愛おしげに見つめ、柔らかい声で静かに笑った。
「もうそろそろ、別れの時だったんだ。私の愛しい人。木々は大きく育ち、雲は流れる」
慰めるつもりでかけた言葉だったのだが、ロラックスの恋人はそれを聞くとさらに激しく泣き始めた。
ロラックスおじさんがヴォックスの涙を拭うと、太陽は再び雲間から姿を現し、雨は止んだ。
ヴォックスはロラックスの心臓が止まると、それに伴って彼の呼吸が止まる音を聴いた。
ヴォックスは永遠の眠りについた恋人をそのまま安らかに休ませてあげた。優しく大地に横たえる。
血に染まったブレザーを脱がせ、亡骸の上にそっと被せてやった。
Voxは静かにその場を離れた。
「こんな運命じゃ無かった」
ヴォックスは誰にともなく独り、そう囁いた。
ーお終いー
(笑)
10『Vox’s Date』 Malon63475847様作
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タイトル:Voxのデート
謎めいたヴォックス・アクマにとっても、その日は特別な日だった。
太陽は眩く輝き、朝の空にはただ一つの雲すら浮かんでいない。
一週間ずっと楽しみにしていたデートにふさわしい完璧な天気だ。
ヴォックスは準備しておいたプレゼントを元気にカバンに入れると、鼻歌を歌いながら改めてその中身をチェックし始めた。
まだ完璧な状態のままであることを確かめる。
鏡を見て自分自身の状態も完璧であることを確認した後、ヴォックスは家を出ていつも待ち合わせしている場所へと直行した。
会える瞬間に刻一刻と近づいているのだ思うと、真顔でいることなんてできないほどに心の内で楽しみな気持ちが膨らんでいく。
Voxは木製のドアの前に立ち、ドアを三度、ノックした。
わずかな間があってドアが開く。
ヴォックスは「つまらん仕事だ」という風にも「得意満面」という風にも見える様子で立つ、恋人の姿を見つめた。
「またうちの猫に会いにここまでやって来たの?ああ、もしそうなら入って」
家の主はヴォックスを家に上げてくれた。
「ミャオ〜」
彼女はヴォックスを一目見るや否や、彼の両足に体を擦り寄せてきた。
ヴォックスの注意を引くために喉をゴロゴロ鳴らしてミャオと鳴く(そしてヴォックスの手にはプレミアム・ツナ缶が握られている)。
Voxは口角をぐっと上げ、彼女を抱きかかえて鼻と鼻を合わせるために腰をかがめた。
「来たよ、私の天使〜」
まとめ
いかがでしたでしょうか。
拙い訳ですが「この配信、結構前の配信だけど和訳が気になってたんだよね」という方のお役に立てていたら幸いです。